A blendsディレクター三宅敬が今、1番気になってる人、洗濯ブラザーズにインタビュー。
ファッション業界でもっとも支持を得ている衣料用洗剤と言っても過言ではない【リブレ ヨコハマ】。
その洗剤もさることながら、洗い方や干し方など、全国を飛び回り日夜洗濯の研究をおこない、人々に正しい衣類の洗い方を啓発しています。
洋服を長く着ることができるリブレ ヨコハマの正体とは?そして、正しい洗い方は!?
初回の今回は、


・リブレ ヨコハマが生まれた経緯
・ドライクリーニングとは?
・クリーニング店やメニューを選ぶ判断基準


について語っていただきました。
次回が永久保存版Q&Aで、今回はそのプロローグ。見逃し厳禁!
全2回の洗濯ブラザーズとのインタビュー、ぜひお楽しみください。

A blendsとは…?

「国・人・文化・トレンド・カラー・素材・アイテムを、 フィーリングやタイミングで程よくBLENDした集合体の(A=AND)融和」をコンセプトとし、40代から50代のかっこいいおじさん──「イケおじ」のリアルを、三宅敬が考える「今着たいモノ」「これから着たいモノ」「この先ずっと着たいモノ」をメインアイテムに提案するファッションブランド。

三宅 敬(みやけ たかし)

1967年2月生まれ神奈川県川崎市出身。20歳でモデルデビュー。その後、約3年間アメリカ ニューヨークに留学し、アメリカ西海岸で古着の買い付けなどを経験。 33歳からは約10年にわたりインテリアショップ『モダニカ』にてマネージャーとして務め、 ミッドセンチュリー家具の造詣を深めた。 現在は事務所兼ショップ『58』にて、読谷山焼「北窯」の製品を販売。そのほかに自身のリメイクブランド「サードハンズ」をデザイン。2019年1月18日より、自身がクリエイティブディレクターとして立ち上げるブランド『A blends』を、満を持して展開する。

洗濯ブラザーズ

シルク・ドゥ・ソレイユ舞台衣装を始め、国内外のアーティストが着るライブ衣装のクリーニングを手がけ、横浜に拠点を置くクリーニング店「リブレ ヨコハマ」。
兄弟で自らを#洗濯ブラザーズと名乗り、洋服を愛する人に、自宅でできる正しいセンタクノシカタを横浜から世界へ日々発信中!!

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三宅:今回の企画は本当に楽しみにしてたんですよ!質問したいことが山ほどあるので、今日はよろしくお願いします!早速だけど、リブレ ヨコハマを作るようになったきっかけは何だったの?

長男・貴史さん:当時はクリーニングとは別の仕事をしていました。その仕事の関係で、僕がアメリカからオーガニック洗剤を輸入するっていうところがスタートです。弟はクリーニング店を経営していたので、その道のプロである弟にこの洗剤を使ってもらって、説得力ある意見をもらいたかったんですよ。弟のお店に劇団四季やシルク・ドゥ・ソレイユなど、国内外のアーティストから、衣装のクリーニングのオファーが入ってきたタイミングでした。劇団四季やシルク・ドゥ・ソレイユは、それまで通常のクリーニング店で洋服の縮みが出ないようにドライクリーニングをしていたんです。けれどそこには問題が。石油の溶剤を使うので、しっかり乾いていないとアーティストが化学ヤケドを引き起こしてしまうんです。そう言った深刻な状況だったので弟のところに相談があったみたいで、それじゃ早速僕がアメリカから輸入していた洗剤を使って、水洗いしようということになったんです。

次男・康之さん:いきなり全部を水洗いっていうのは衣装という性質上難しかったので、兄に、オーガニック洗剤を探してきてくれ、って頼んだんです。世界には色んな洗剤があるので色々あたってもらおうと。そこで兄が見つけてきたのがアメリカのオーガニック洗剤だったんです。

長男:その洗剤はUSDA(アメリカ合衆国農務省)の認証がついていました。

次男:手を使って洗うとどういった洗剤なのかっていうのが大体わかるんですけど、兄が持ってきたUSDAの洗剤は手が一切荒れなかったんです。率直に、これはなかなかいい洗剤だな、と。早速この洗剤を使ったメニューの検討に入りました。ドーランとかファンデーションって細かい粒子なので、衣装なんかだと汗と一緒に繊維の奥まで入り込んじゃって優しい洗剤だとなかなか落ちないんです。こういう部分を検証したんですけど、兄が持ってきたUSDAの洗剤は優しいからこそなかなか落ちなかったんですよ。だからといって安いものではないので、通常コースよりも高価な設定にしなければならない。けど汚れは落ちません、っていうのはメニューとして機能しないじゃないですか。家庭でタオルや肌着を洗うくらいだったら全然いいんですよ。けどクリーニングメニューとしては、残念ながら。

長男:だからこれは仕事では使えない、ってなったんです。

次男:本当は僕たちが開発した洗剤も100%ナチュラル成分で進めたかったんですけど、汚れが落ちなきゃ意味が無いですからね。クリーニング業界トップの洗剤の業者さんに、ケミカルを一切省いてナチュラル志向の洗剤を作ってもらうことはできませんか?ってオファーをしたんです。国内トップレベルの衣装のクリーニングに取り組むという理由もあって、社長は快諾してくれました。けれどそこからがまた困難な道で、作ってはだめ、作ってはだめの繰り返しで試作に2年かかりました。こういう時を経て開発したオリジナル洗剤・リブレ ヨコハマがあることが、シルク・ドゥ・ソレイユの仕事ができるきっかけになりました。けど、その頃は開発した洗剤を販売するっていうことはまったく考えてなかったですね。販売に至る流れはまったく別のベクトルの話でした。

長男:そうですね、販売ってなったのはまったく別の話です。弟と話しているときにちょっといさかいになったんです。当時、僕は色んな情報を集めて、海外から商品をもってきて日本でブランディングして、みたいな感じで多忙を極めていたんですが、弟はクリーニング屋でローカルな仕事をしていて、地域に愛されるクリーニング店になっていたんです。けど僕は思ったわけです、弟よ、もっとできることはあるんじゃないか?って。例えば洗剤を作って色んなお店で売るだったり、もっと何かできることあるでしょ?と。それからですね、弟が変わっていったのが。本気になって取り組み始めたんですよ。それまではデザインもないパッケージで売ってる業務用のものだけだったんですけど、容器を小さいものに変えて、ラベルを張って小売し始めたんですよね。当時のラベルはダサかったですけどね~(笑)。

次男:いやいや、そんなにダサくないから(笑)。

長男:まあ、そんなこんなでリブレ ヨコハマを売り始めました。最初の販路はクリーニング店に来てくれるお客さんだけ。サンプリングをしてたんですが、当初からお客さんの反応はかなりよかったみたいなんですよ。だから父親から相談があったんです。評判いいから販路を広げたい、って。1~2年、ほぼ毎日電話がかかってきて(笑)。当時は自分の仕事があったので断ってたんですよ。けど、そのうちお客さんの反応がダイレクトに僕の耳まで届くようになってきたんです。知り合いから直接言われたりして。柔軟剤なしであんなに柔らかくなったことない、それなのに汚れがすごく落ちる、とか。当時の仕事に対してちょうど潮時と感じてたタイミングですね。こういうタイミングもあったんですが、今の販売体制になるきっかけで一番大きかったのは、合同展示会【JUMBLE】の北田さんの目に留まったことです。発売当初はスーパーとか雑貨屋さんに卸す設定で動いていたんですけど、北田さんの一言「いい洋服を長く着続けるためにはこういうプロダクトが必要だ。一度【JUMBLE】に出てくれないか?」って言ってくれたんです。そこが今の販売の流れにつながる入り口ですね。いざ展示会に出たときの反応がとんでもなく良かったんです。ここで手応えを感じました。

三宅:そうだよね。【JUMBLE】は全国から人が集まるから、そこでの反応がよかったら自信につながるよね。それがいつくらい?

長男:それが2017年9月でした。2年前くらいですね。

三宅:その時は今みたいに色んな香りや種類があって、っていうバリエーションはあったの?

長男:いやいや、全然ですよ。香りが4種類あるくらいでした。

三宅:ちょうどタイミングもよかったんだね。北田さんもその前まではファッションのみで展示会をやってたから。そのタイミングで雑貨とかファッション以外の商品も揃えるようになって、ライフスタイル提案型になっていった。僕のやちむんにもオファーがかかったんだけど、卸しはできないからやむなく断って、北田さんも残念そうにしてたもんな。

長男:そうなんですよ。この頃が【JUMBLE】の方向性をシフトしていくタイミングだったんですよ。お客さんの反応は良かったものの結局オーダーは入らなかったんですけど、こういう反応が得られたんで、じゃあまずは地元でやってみるかってことで。地元の横浜のパタゴニア横浜・関内店でゼロウェイストマーケットというゴミを出さないマーケットというのがあって何回か出させてもらってるんです。そこにたまたまエストネーションのPRの方がいらっしゃって、毎回大量に買っていってくださるんですよ。その方経由でエストネーションのバイヤーさんが目を付けてくれて連絡をいただいたんです。それが2018年の頭です。そうしたらそれがもう買い付けの話になっていて(笑)。正直びっくりしました。

三宅:パタゴニアのブランドコンセプトとリブレ ヨコハマの考えていることは近いもんね。そこに来るお客さんとの相性はそりゃいいはずだね。

次男:パタゴニアも洗剤を作ってるんですけど、パタゴニア横浜・関内店さんのイベントでは地元に強いお店を誘って一日限りのポップアップとかをやっていたんです。そこで私達を呼んでもらった、っていう経緯なんですね。

長男:そしてその後エストネーションとの話が決まって。正直ビビってたんですよ。規模感が今までとは比較にならないくらい違うので、在庫大丈夫かな?とか。生産追いつくかな?とか。そして同じ時期くらいに【JUMBLE】の北田さんから、前回の評判がよかったので【JUMBLE PARIS】に出ないか、ってオファーをいただいたんです。

次男:洗濯洗剤で海外から入ってきて有名になったものって今まで日本にはほとんど無かったんです。だからこれはチャンスだな、って。まずは海外から攻めて、日本へ逆輸入的に売り出す戦略も立てれるのでふたつ返事で参加させてもらいました。商品名のリブレってフランス語ですしね。

長男:パリの展示会では2店舗での取扱が決定しました。ひとつはコルソコモのニューヨークだったので、これでかなり自信がつきました。そして、帰ってきて2018年4月からエストネーションでの取り扱いが始まったんです。常設という形ではエストネーションが初めてでした。僕たちは服のアンチエイジング、ということを謳っているんですけど、この取扱いで初めて業界に認知された形になりました。

次男:最初は六本木と銀座、大阪の3店舗での取扱でした。

長男:そうなんです。当初はこの3店舗で2ヶ月限定の販売だったんですけど、想定をはるかに越える売上で!取り扱ってもらってどんな反応があるのか見たくて、銀座店にリサーチしにいったんですけど、そこでバンバン売れてる状況で。速攻弟に電話しましたね(笑)。とにかく在庫を積んでくれ!!って。

三男・今井良さん:長男はある程度業界のことはわかっているし、会社に所属していた頃からマーケティングとかやっていたので弟に在庫を積むことを一生懸命話すんですけど、次男は職人でストイックに商品作りに集中するタイプなので意見が衝突するんですよ。こういうことがあったら毎回毎回そうなんです。そういうときに僕が板挟みにあっちゃうんですよね(笑)。バランスはいいんですけど、こういう時、こっちは本当に迷惑で。これは言っても治らないです(笑)。

長男:そういう経緯もありつつ(笑)、結果、1ヶ月で常設が決まりました。ここで手応え感じて、洋服を大切にしている企業さんとか、こだわりをもっているお店さんと一緒にやっていきたい、っていう考え方のベースができたんです。ここから香り違いの商品を開発したり、ウールやシルク、デニム専用の素材別の洗剤の開発に着手するなど、商品の幅を広げました。2018年はエストネーションとの取り組みを皮切りに、夏にはHONEY MAGAZINE とのコラボ商品を作ったりしてこの1年はずっと休んでないですね。土日は常にどこかでポップアップしてたり。

三宅:でもいいことだね。それくらいお客様に受け入れられるっていうのは。今、実店舗にお客さんを呼ぶのに困ってるブランドやお店っていっぱいあるからさ。こういうのって生で体験しないとわかんないじゃない。香りとか、実演とかはECじゃわからないしね。そういうお店の需要とマッチすると、お互いがいいところ享受できるから素晴らしいことだね。

次男:そういうイベントでのお客さんからの質問がすごいんですよ。

三宅:実際、質問なんて山のようにあるでしょ!僕も今、この時点で聞きたいことが山ほどあるからね(笑)。生の声を聞いて、それを自分たちが消化して、商品で表現できれば最高だよね。

次男:そうなんですよ。洗剤を買う、っていうよりはみなさん相談しに来られてますね。

長男:僕たちはベースがクリーニング店なので大手さんに比べて細かい相談にも対応できるんですよ。洗い方など、お客さまから色々聞かれることが多いですね。とにかく悩んでいる方が多いです。そもそも洗濯機の使い方がこれで合っているのか、っていうとこから、縦型とドラム、どっちがいい?とか。買い換えようと思ってるんですけど、どっちがいいですか?とか。メーカーはどこのがいいですか?とか。

三宅:あと、洗剤はどれくらいが適量なのか、とかね。洗濯機も進化してるから消費者は迷うだろうね。洗剤の量は本当に迷う。スゴイ汚れている場合は多く入れたほうがいんだろうか、とかさ。

長男:そういう知識って習うことじゃないですからね。

三宅:こういうことに対して、究極的なマニュアルがほしいね。界面活性剤って石油っていうけど、あれって100%石油なの?

次男:全てが石油由来のものってわけではなく、植物由来の界面活性剤もあるので、買う側の知識も重要ですね。

長男:ドライクリーニングで使用している溶剤は、石油由来のものが大半です。一般家庭の洗剤では石油由来のものなのか植物由来のものなのか、それとも合成されているものなのか、由来が何なのか、っていうことに関心が高いですね。

三宅:ということは、石油から洗剤となる成分、汚れを取る成分っていうのが取れるわけよね?石油が汚れを分解させる力があるっていうこと?

長男:石油系界面活性剤は、洗剤に限らず、例えばシャンプーやボディウォッシュなどにも入ってる洗浄成分ですね。元々は石油から合成してできる成分です。僕たちが使ってる洗剤はパームオイルがベースの石鹸成分なんですけど、良質なパームオイルは取れる量が限られていて大量生産には向いてないんですよ。

三宅:最近は大手のクリーニング屋に出すことが多くなったんだけど、時折、町のクリーニング屋さんを使うとクリーニング上がりのものが油臭い。そういうときに、クリーニング屋って結構なモノ使ってるんだな、って思うんだよ。袋に包まれて上がったものの、袋を開けた瞬間の匂いはすごいよね。

次男:成分が揮発しますからね。結局成分が服に残ってるんですよ。クリーニング屋がよく言うのは、袋は必ず開けてください、と。そうしないと溶剤とビニール袋が化学変化を起こして服を変色させてしまう恐れがあるんです。

三宅:白洋舎さんはあんまり臭わないよね。高級店なんだね。(笑)

次男:クリーニングの値段にはちゃんと理由があるんです。どこのクリーニングに出そうか、どんなメニューを選ぼうか、など、判断基準がちゃんとあるんですけどそれを知らない人があまりにも多いんです。こういった事を自分たちが啓発して、皆さんに伝えていかないといけないと思ってます。

vol.2 →

次回は、漂白剤っていいものなの?、初洗いの重要性って何?
干し方間違ってる!?、洗濯機ってどれがいいの?
など質問が炸裂!
良い洋服を長く着るために欠かせないケアを説明していただきます。
次回もお楽しみに!